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人はなぜ、働くのか

人はなぜ、働くのか

日本国憲法には「教育」「納税」「勤労」の3つの義務規定が記載されています。「働く=義務」という概念が日本では当たり前になっていますが、実はこの「勤労の義務」は、日本を含む数か国にしか存在しません。歴史的にはこれは、かつての大日本国憲法で規定されていた「兵役の義務」に代わるものとして採用された近代的な考え方になります。ではなぜ現代人は、「働かなければいけない」のでしょうか。誰もが当たり前に、就活をして企業勤めをする。そんな世の中が出来上がったのは、もしかしたら本当に「労働の神」の御業なのでしょうか。今回はこの「働く意味」について、国民調査の結果と心理学の理論をもとに考察していきたいと思います。

働く目的は何か(国民調査)

内閣府によると、働く目的として下記の調査結果がでています。
※参考:内閣府「 国民生活に関する世論調査(令和元年6月調査)」

56.4%「お金を得るために働く」

17.0%「生きがいをみつけるために働く」

14.5%「社会の一員として、務めを果たすために働く」

7.9%「自分の才能や能力を発揮するために働く」

「お金を得るため」が1位となりましたが、やはり「労働=生活するために必要なこと」という根底の考えがあるようです。なお、「理想的な仕事は何か」という調査項目についても、「収入が安定している仕事」(60.5%)が1位で、「自分にとって楽しい仕事」(57.6%)、「私生活とバランスがとれる仕事」(44.5%)、「自分の専門知識や能力がいかせる仕事」(37.8%)があとに続きます。この調査は実は、心理学的な理論とも合致した結果になっていたのですが、それはどういうことでしょうか。

働く目的は、人の欲求段階によって変わる

心理学者アブラハム・マズローが、「欲求5段階説」という理論を提唱しています。簡単に説明すると、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」という理論なのですが、「自己実現」に至るまでには下記のようなステップを踏む、というのです。


STEP1 生理的欲求・・・生きていくうえで最低限必要な、基本的で本能的な欲求(食欲や睡眠欲など)

STEP2 安全欲求・・・安全で安心な生活を求める欲求

STEP3 社会的欲求・・・組織やコミュニティに属したいという帰属意識からくる欲求

STEP4 承認欲求・・・誰かに尊敬されたい、認められたいという欲求

STEP5 自己実現欲求・・・本来の「あるべき自分」になりたいという欲求

国民調査の結果にあった「お金を得るために働く」というのは、この生理的欲求や安全欲求という初期の欲求段階を満たすために必要なものとなります。また、企業勤めをするということ自体が、「どこかの組織に属したい」という社会的欲求を満たすことにもなります。ここから、就職をし、会社員として働くというのは、人間の根本的な欲求を満たすうえでとても有意義な制度だと考察できるかもしれません。
さらに会社の中での出世や昇進をのぞむのは、STEP4にあたる承認欲求を満たすため、という考え方もできます。「欲求5段階説」は最終的に「自己実現」を目指していくものになりますが、国民調査で「生きがいをみつけるために働く」と回答した17%は、働く中でこの自己実現欲求を満たしていきたい、という気持ちの表れなのかもしれません。

働く意味を、考え続けるということ

働く意味として、働くことで満たされる「欲求」があるから、という一応の回答を提示することができました。ただなぜ働かなければいけないのかという問題となると、少し難しいところです。日本国憲法の「勤労義務規定」は、専門家の中でも「不要である」とする意見があります。国民全て「労働者」とする捉え方が、社会主義の発想にも近いためです。「働く意味」や「働く義務」について、おそらく「たったひとつの答え」はありません。答えはないですが、このことを常に考え続け、見つめなおすことそれ自体が、大切なのかもしれません。