こんにちは!
JobManga編集部の「まつじゅん」ことマツモトジュンヤです。
みなさんアドラー心理学はご存じでしょうか。
アドラー心理学とは別名、「個人心理学」とも呼ばれ、20世紀前半にアルフレッド・アドラーが創始した学問のことを指します。
今回はアドラーの個人心理学を根拠に、本マンガのテーマにもなった「特別であること」について考察していきたいと思います。
人は特別な存在である必要はない
人は誰しも初めは無力な存在としてこの世に生を受け、その無力な状態から脱したいという欲求を持つ。無力な状態から脱せられたと納得するためには、誰かにそれを認めてもらう必要がある。この認められたいという気持ちのことを、心理学の世界では「承認欲求」と呼びます。自分の理想の状態があり、そこを目指し、かつそれを他者に認めてもらうこと。言葉でいえば簡単なことですが、全てが理想通りにいくことは現実問題簡単ではありません。アドラーはこの承認欲求を、徹底的に否定します。
なぜなら人は、承認欲求が満たされなかったとき、安直に「優越性の追求」に走ってしまうからです。
「安直な優越性の追求」とは、不当な方法で特別な存在であろうする傾向のことを指します。
例えば、マンガの中の主人公が、就職活動の途中、何らかの犯罪に手を染め逮捕されたとします。その時主人公の心の中には、「もし逮捕されずに就職活動を続けていたら大手企業に入社できた(かもしれない)」という可能性としての理想が残るのです。「安直な優越性の追求」とはつまり、「叶えようと思えば叶えられたけど、別の要因のせいで叶わなかった」という言い訳作りのことです。叶えたいけど叶えられそうにない理想を、可能性の世界に追い込むことで、可能性としての「優越性」を維持し続けていくのです。特別な存在であろうとすることは、この安直な「優越性の追求」を引き起こしてしまいます。
アドラーは、その心理学理論のなかで「普通である勇気」を訴え続けてきました。普通であるとは、他者と比較したときに「平均的」であるということではありません。そもそも他者との比較を必要とせず、自分自身をそのまま受け入れること、それこそが、アドラー心理学のいう普通であるということなのです。
比較をすればきりがない
他者と自分とを比較したとき、全てにおいて「劣っていない」と言い切ることができる人間は、おそらくこの世の中にひとりもいないでしょう。周りと比較してしまえばきりがありません。「上には上がいる」という言葉がありますが、世の中には76億人の人間がいます。特別な存在でありたいと、他者と比較し続けるだけの人生にも、きりがないのです。他人が気になるのは当たり前です。ですが、その無限ループのなかで人生を過ごすのはとてももったいない。承認欲求や優越性から脱却した人生を過ごしていきたいものです。
満足のいく就職活動をするために
さて、難しい話が続きました。
満足のいく就職活動をするために、皆さんに意識して欲しいことはたったひとつです。
他者との比較ではなく、自分自身としっかり向き合うこと
これまでの人生には多くのレールが敷かれていました。
細かい点は違えど、幼稚園→小学校→中学校→高校→大学と、地域や偏差値などの条件に従って自動的にレールを進んできた人も多いと思います。
けれど就職活動は、これまでの進路とは違い進むべき道が何万通りとあります。
たくさんの選択肢の中からひとつの就職先を選択するとき、それが「承認欲求」や「優越性の追求」からではなく、自分自身と向きかった結果であったならきっと、「満足のいく就職活動ができた」と胸を張って言えるようになるのだと思います。
自分自身との向き合い方などは、こちらの記事(自己分析が大事な本当の理由)を参考にしてください。
マツモトジュンヤ
早稲田大学在学中、学生団体Pridarity(何でも屋)を立ち上げ代表を務める。その取り組みの中で、数多くの学生の就職活動に関わっていたが、その横並びの就職活動に疑念を抱き、某大手就職情報サイトへの入社を決意。内側から就職活動の文化を変えていくことを決意する。千葉大学、茨城大学、秋田大学、横浜国立大学、東京理科大学など、全国で100大学以上の就職支援を担当し、「面接対策講座」「ES講座」「業界研究講座」等の学生向け就職支援講座を受け持つ。2018年4月には株式会社シンフィールドにジョイン。現在はジョブマンガ編集部として活躍中。