JobManga(ジョブマンガ)編集部の「まつじゅん」ことマツモトジュンヤです。
今回は、エントリーシートや面接で必ずといっていいほど聞かれる「学生時代に頑張ったこと」について、その攻略方法を考えていきたいと思います。
「学生時代に頑張ったこと」は、ガクチカ(学生時代に力を入れたことの略)という用語が流行語になるほど、就職活動においてはメジャーなテーマです。
その攻略方法を学び、万全の準備で就職活動を臨めるようにしましょう。
※ガクチカ=『2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査 7月の活動状況』にて調査された「あなたのまわりで流行った就職用語」ベスト2位を記録した。
企業が「学生時代に頑張ったこと」を聞く意図は?
そもそも、「学生時代に頑張ったこと」を企業はなぜ知りたがるのでしょうか。答えは明確です。
入社後に活躍できる(あるいはそのポテンシャルがある)人材かを知りたいから
これは実は、「学生時代に頑張ったこと」に限らず、エントリーシートや面接などの選考が行われる理由そのものでもあります。企業は、入社後に活躍できる人材を入社させるために、採用活動をしています。そしてそれを測る手段のひとつとして、ガクチカが聞かれるのです。この企業側の意図について理解することはかなり重要ですので、必ず見失わないようにしましょう。
まず大前提として知っておいて欲しい知識があります。
「学生時代に頑張ったこと」と聞かれてよく、「高校生の頃の部活のエピソードでも大丈夫ですか?」という質問を学生から受けることがあります。答えはNO!です。なぜならそもそも学生とは、「高等教育機関で学ぶ立場の存在」のことを指します。高等教育機関に含まれるのは、「大学院、大学、短期大学、高等専門学校」であり、実は高校(高等学校)はここには含まれないのです。高校を含む「中等教育機関で学ぶ存在」のことは、「生徒」と定義されます。そのため、「学生時代に頑張ったことは?」という質問に対し「高校時代に頑張ったこと」を話してしまうのは、その定義上、的外れな回答になってしまうのです。
また、高校時代に頑張ったことを話すよりも、大学時代に頑張ったことを話す方が、より最新の“あなた”を伝えることができます。最新の“あなた”を伝えた方が、「入社後に活躍できる(あるいはそのポテンシャルがある)人材」かどうかを企業が判断しやすくなるので、出来る限り大学時代に頑張ったことを話すようにしましょう。
「伝え方」を工夫する
それでは具体的に、どのような伝え方をすれば良いのでしょうか。
2つのガクチカを読み比べてみてください。
Q.学生時代に頑張ったことはなんですか?
A.私には管理能力があります。学生時代、サークルの代表として頑張ってきました。一番頑張ったことは、サークルの合宿手配をしたことです。大人数でしたので、予算管理や当日の先導など、その苦労はひとしおでした。ただその経験を通して、頑張ることの大切さを学ぶことができました。私は、頑張ることのできる人間ですので、御社に入社しても精いっぱい頑張って仕事をしていきます。
Q.学生時代に頑張ったことはなんですか?
A.私は学生時代、サークルの代表として頑張ってきました。中でもサークルの合宿手配時は、特に頑張りました。200名いるサークルでしたので、予算管理や当日の先導などにも工夫が必要でした。予算管理ではシステムを導入し漏れなく合宿費を回収し、当日の先導では班分けをし班長だけに指示系統を絞ることでスムーズに当日の進行ができました。
CASE1とCASE2、どちらがより「入社後、活躍してくれそう!」と感じられるでしょうか。
それでは、それぞれのケースについて添削をしてみましょう。
CASE1の添削
●結論から書けていない
「学生時代に頑張ったことはなんですか?」という質問に対し、「私には管理能力があります。」という回答をしていますが、これでは的外れですね。これが仮に「あなたの強みを教えてください」という質問であれば問題なかったですが、今回の質問に対する結論は「サークルの代表として頑張ってきた」という点です。結論から伝えられるように意識しましょう。
●伝えたいことが不明瞭
1つの質問に対し、こちらから伝えたいメッセージは一つに絞りましょう。このケースでいうと、「管理能力」を伝えたいのか、「頑張れる」ことを伝えたいのかが、不明瞭です。メッセージを盛り込みすぎると、結局何が言いたいのか分からない回答になってしまいます。伝えたいことがたくさんある気持ちも分かりますが、そこはひとつぐっとこらえて一番伝えたいことだけにメッセージを絞り込むようにしましょう。
●具体性がない
具体性がありません。「サークルが大人数」という一つの事象をとってみても、具体的に書かれていないためイメージがしづらいです。「大人数」が10人程度なのか、はたまな200人規模なのか…。「大人数」の感覚は人それぞれです。抽象的な表現は避け、できるだけ具体的に伝えられるようにしましょう。(特に、具体的な数字を入れて伝えられると、聞き手はイメージがしやすくなります。)
CASE2の添削
●基本的にはOK!
「結論から書く」「具体的に書く」などの基本をしっかりおさえた伝え方ができています。あとはもう少し“自分の気持ち”を入れたエピソードにすると、「入社後にどんな気持ちで働いてくれる人か」というところまでイメージできるようになるので、その点をさらに工夫しましょう。
この後何をすべきか
さて、「ガクチカ」を攻略するための基本情報はお伝えしました。
纏めると、以下が攻略のための基本情報です。
①結論から書く
②伝えたいメッセージは1つに絞る
③数字などを用い具体的に伝える
④事実だけでなく想いや気持ちも伝える
今回お伝えした内容を自分の「ガクチカ」に活かすために、早速、文章を作ってみるところから始めてみてください。
そして、自分の「ガクチカ」が完成したならば、それを誰かに読んでもらってください。
自分の文章や言葉というのは、先入観というフィルターがかかってしまっています。自分では具体的に伝えているつもりでも、他人からみると抽象的で分かりづらくなっているケースも多いです。添削は下記サービスもご利用ください。
▽無料添削サービス(利用方法)
oiwa@shinfield.jp
上記メールアドレスに直接、添削して欲しい文章を送付ください。
※添削条件
・1人1回まで
・JobMangaサイト会員であること
・文章は500文字まで
マツモトジュンヤ
早稲田大学在学中、学生団体Pridarity(何でも屋)を立ち上げ代表を務める。その取り組みの中で、数多くの学生の就職活動に関わっていたが、その横並びの就職活動に疑念を抱き、某大手就職情報サイトへの入社を決意。内側から就職活動の文化を変えていくことを決意する。千葉大学、茨城大学、秋田大学、横浜国立大学、東京理科大学など、全国で100大学以上の就職支援を担当し、「面接対策講座」「ES講座」「業界研究講座」等の学生向け就職支援講座を受け持つ。2018年4月には株式会社シンフィールドにジョイン。現在はジョブマンガ編集部として活躍中。